書と画(え)
上のイラストは、生徒さんに『えんぴつ・筆の持ち方を分かりやすく』と思い、教室に貼るために私が描いたものです。ネットの画像から実際の手の写真を元に、描きました。描き終えたとき、「あれ、上手くなってる?!」・・・自分で言うのもおかしいですが、いわゆるデッサン風の絵が過去の自分の実力よりも、上手になっているのを実感したのです。消しゴムももちろん使いましたが、予想外に早く描き終えたことにも驚きました。絵を習ったことも、人より上手いと思ったこともありません。ただ、考えられるのは書の練習をこの何年間か人一倍やってきたことくらいです。
書道には《書画同源》という言葉があります。“書と画(絵)は根源が同じ”という意味です。私も師匠から字形の捉え方について学びました。漢字にも遠近法があること、概形は対比で捉えること。そして、自らの練習でも『美しい字の観察』には常に気を張っています。そうしていると、必ずと言っていいほど『発見』があります。この発見とひらめきが面白いのです。「ああ、そうかぁ!こうなのか!!」と。字形にかかわらず、運筆もそうですが、美しい字の法則に気付いたときの喜びは、まるで大きな宝物を手にしたかようです。
長くなりましたが、書道は奥深いのです。発見したあと、それを身に付けるまで何年もかかります。でも、自ら発見したものと、人から教わるだけの受け身では喜びも断然違いますし、上達スピードも明らかに違ってきます。気が早いかもしれませんが、生徒さんには将来書道で培った「観察力」と「集中力」を武器に、それぞれの分野で活かしてもらえたなら、私にとってこの上ない喜びとなるに違いありません。さて、まずはお習字の楽しさをこの教室で皆さんに味わってもらえるよう、一人一人に合わせたアシストをしていきたいと思っています。お習字の宝探し、一緒に始めましょう!
0コメント